6.音



振り返れば 雑踏の中 生きてきた証を消すような足並み

歩いてきた音さえ 別の音にすりかえられる

硬い音を立てたヒールの響きさえ 瞬間で生まれ変わる

鼓動のようなこの一瞬で 生きてきた証明なんてどうすればいいの

続いてきた音でも これから続いてく根拠なんてない

未来なんて知らない 要らない

出来ることはただ 前を向いて 風を切って

新しい音を作り出すため 歩き出すことだけ

誰に聞こえなくたっていい

生きるための生命の音を 自分の耳に叩き込め




2005.11.7


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