沈む空

4.海




淡く上げた声は、泡になって上昇していく。

いつだって、求めていた「誰か」

光が、涙を通して見るように、揺らいで。



海は誰の流した涙なの?



こんなにも暗くて、こんなにも寂しい。

透明なのに、どうして光を遮るの。

ゆるくかざした腕に、降り注ぐ淡い光。



「誰か」

「だれか」



遠く、光を受け付けないような虚ろな瞳に映るのは、

いつか見たあの優しい空。



求めたあなたはそこにいたのね。



痛みのような不安が、消えていく。

視線の先の、沈んでゆく空。











真綾さんの「DIVE」が元ネタだなんて口が裂けても言えない…(言ってる)
back