一葉

13.言の葉



言ノ葉がひとひら

わたしの喉から離れてゆく


ひらひら はらはら と


ほんとうではないけれど うそですらない

しんじつなんてないけれど いつわりさえもおぼろ


ひらひら はらはら と


墜ちたその葉を 踏みつける前にどうか拾って

存在さえも曖昧な かれたような声を聞いて

白い雪に埋もれる前に

わたしがつたえるさいごのひとひらを





2005.11.7


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